髙瀬蔵再生活用事業

  • Before
    改装前の髙瀬蔵
  • After
    改装後の髙瀬蔵
    建築設計:連合設計社市谷建築事務所 吉田桂二氏

1.事業内容等

■ 実施主体

玉名TMO(玉名商工会議所)

■ 実施場所

玉名市髙瀬地区(髙瀬商店街)

■ 実施時期

※左にスクロールしてご覧ください
年度 組織 実施内容 活用制度
2002(H14) 髙瀬蔵再生活用事業実行員会 事業計画策定 商業・タウンマネージメント計画策定事業費補助金
(経済産業省)
2003(H15) 髙瀬蔵運営協議会 事業計画策定・建築設計 熊本県地域振興総合補助事業補助金(熊本県)
2004(H16) 髙瀬蔵運営協議会→NPO法人髙瀬蔵 事業計画策定・改修工事 ①中心市街地等商店街・商業集積活性化施設整備事業費補助金
②中心市街地等商店街・商業集積活性化施設整備費補助金
(①、②共に経済産業省)
2005(H17)~ NPO法人髙瀬蔵 管理・運営  

■ 事業内容

  • 玉名市に寄贈された町家(商家)の上物をリノベーション、コンバージョンして、「地域の核・髙瀬蔵」として整備。(2005年に開館)
  • 髙瀬蔵は多目的ホール、会議室、飲食施設3店舗から構成される複合施設。

2.玉名市中心市街地

■ 問題点

  • 中心市街地の空洞化と衰退
  • 快適で魅力的な空間の欠如

■ 課題

  • まちの核となる機能(施設)の整備
  • 日常的な来街者の増強
  • 不足業種(飲食)の誘致

■ 方向性

  • 「地域の特性」と「固有財産」を活用
  • リーディング事業としての髙瀬蔵再生活用事業
玉名市中心市街地の様子

3.検討経緯

委員会の様子
髙瀬蔵再生活用事業実行員会(2002年)
本事業はハード(改修)とソフト(運営等)を同時に検討していく必要があった。事業に係る重要ポストにあるメンバーで委員会を構成し、事業計画のアウトラインを策定して事業をオーソライズした。
協議会の様子
髙瀬蔵運営協議会(2003年)
運営協議会は次年度に運営組織となる NPO へと移行することを前提に、実践的な人材で構成して事業の詳細を検討した。
NPO法人髙瀬蔵
NPO法人髙瀬蔵(2004年)
NPO を設立して、企画運営側と参加側が一体になった組織として検討を重ねていった。色々な得意分野を持った人が更に新しい人を呼び、計画の熟度も上がっていった。

4.計画内容

■ コンセプト

髙瀬!くらしの文化継承と創造拠点

  • 「食」と「文化」活動により、利用者や地域に楽しさを提供し、賑わいの焦点を生み出す。
  • 地域で培われてきた伝統文化を再発見し、尊重し、感動し、未来へ向けて新たなる展開を図る。
  • 人がやすらぐ美しい街の風景を創り出していくデザイン規範となる。

■ 4つの機能

  • 楽しさと交流
  • 見る・学ぶ・つくる
  • おもてなし
  • 風景をつくる

■ 施設

  • 多目的ホール
  • 会議室
  • 飲食施設(3店舗)
  • 髙瀬蔵の模型①
    模型によるイメージ醸成
  • 髙瀬蔵の模型②
  • 髙瀬蔵の見取り図①
  • 髙瀬蔵の見取り図②

多目的ホール(大蔵)

  • 改装前の大蔵内部
  • 広めの多目的ホールへと改装し、コンサートなども行われます

多目的ホール(小蔵)

  • 改装前の小蔵内部
  • 多目的ホールへと改装し、会議などに使用されます

飲食施設

  • 改装前の飲食施設内部
  • 改装後の飲食施設内部

5.運営

髙瀬蚤の市の様子
■ 髙瀬蚤の市
開催期間:3日間 来館者数:4,374人
売上:約350万円
荒尾玉名地域窯元振興会窯元展の様子
■ 荒尾玉名地域窯元振興会窯元展
開催期間:7日間 来館者数:10,156人
売上:約345万円
荒尾玉名地域観光物産展の様子
■ 荒尾玉名地域観光物産展
開催期間:3日間 来館者数:4,625人
売上:約125万円

■ 高校生デパート若蔵WAKAKURAとパブリシティ効果を期待した事業推進

髙瀬ほりだし処(セレクトショップ)事業がベースになり発展
開催期間:2日間・来館者数:4,890人・売上:約170万円)

1検討会議
検討会議
  • 女性の活躍を意図して、商店会の女性が行う司会、進行等をサポート。
  • 高校生が自ら屋号、役割等を決めた。
2事業実施前
事業実施前
  • 案内チラシの配布とミニイベント(音楽演奏)について 1 回目のプレスリリース。
  • 新聞掲載により、予告、宣伝の機会になる。
3事業実施当日
事業実施当日
  • 1 回目直後に 2 回目をプレスリリース。
  • 新聞掲載により、参加者の達成感、モチベーションの向上に繋がる。
4事業実施後
検討会議
  • 民間交番への売上金の一部寄付について 3 回目のプレスリリース。
  • 新聞掲載により、事業の付加価値(社会貢献活動)とプレゼンス向上に繋がる。

6.事業スキーム

  • 玉名商工会議所は「施設の維持管理」「テナント管理」「総合的な企画・調整」等を担い、NPO法人髙瀬蔵は「施設全体の事務局」「多目的ホール、会議室の管理運営」「イベント事業の企画、立案、実施」等を担う。
  • 玉名商工会議所は「テナント賃料」「貸しホール使用料」を徴収して必要経費を差し引いて「髙瀬蔵運営委託費」をNPO法人髙瀬蔵に支払う。
  • NPO法人髙瀬蔵の収入は「髙瀬蔵運営委託費」「自主事業」「NPO入会金・年会費」となる。
  • 開館初年度は「自主事業」を多く実施して、多目的ホールの活用方法を提示して市民に知ってもらい、徐々に「貸しホール事業」の割合を増やしていくこととした。
  • NPO法人髙瀬蔵は月1回定例で「企画運営会議」開催。下部に4つの「部会」を設置して事業の企画、立案等を行う。
事業スキーム図

7.期待する効果

  • 集客力の向上により、商店街の広告宣伝と購買機会の増大を図ること
  • 商店街の商業機能の強化を図ること
  • 核施設としての求心力を発揮して賑わい、回遊性、時間消費の場を創出すること
  • 他の関連する活性化事業を誘導していくこと

平成17年度国土交通省「まちづくり月間国土交通大臣表彰」受賞

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