わが国はかつてのように人口が増え、右肩上がりの経済発展を遂げていた時代とは大きく変わって縮小社会の一途を辿り、それに伴い人々の価値観や考え方も多様化しています。“まちづくり”も物的なものから質的なものを重視する方向へと大きく変わってきました。地域の人たちが自分たちの手で暮らしやすい環境を創り、自分たちのまちを誇りに思えるような“まちづくり”が求められています。
私の「“まちづくり”のお手伝い」は1997年に九州のある“まち”に関わることから始まります。2年後にその“まち”に移り、どっぷり浸かった9年間の生活と業務を通して、報告書には載らない“まちづくり”を知り、経験したことが原点となっています。“まちづくり”の範疇は幅広く様々な解釈ができますが、私は“まちづくり”とは「コミュニティの在り方」をデザインすることに大きな意義があるという考えに至りました。“まちづくり”は一人で、一代で完結するものではありません。多くの人々が知恵、経験、ネットワーク等を集結させて、優良な財産を創造するための取組みを継続し、後世に引き継いでいくものであると考えています。そこに必要不可欠となるものは、人と人との結び付きであるコミュニティと言えます。“まちづくり”はこのコミュニティを修復、再構築、創造する作業、あるいは運動とも言えます。私自身の貴重な経験から培われたノウハウを活かして、更に多くの人々や地域に貢献すべきと想い、2012年に株式会社SORTIEを設立しました。
SORTIEは仏語では出口を表し、英語では出撃を意味します。かつて、パリを彷徨したときメトロを降りてSORTIEが示す方向へ進み地上へと出た時、眼前に広がる風景には驚き、発見、感動の連続がありました。その時の私にとってSORTIEは単なる出口ではなく、発見や感動へと導く手掛かりとなりました。株式会社SORTIEは「“まちづくり”のお手伝い」を通して、関係する方々に発見や感動を与えて、新たな一歩を踏み出す手掛かりになれれば幸甚です。
※Urban Husbandry:「まちづくり」を直訳する英語はありません。「都市を養育する」を表す「Urban Husbandry」が近い解釈とされています。